私たちスイスの牛は、
だいたい、アルプスの山々と湖の見える草地で昼間は過ごします。
冬の間は時々雪が降るので駄目ですが、
イースターが過ぎたあたりから、からだがムズムズ。
昨年からウォータースポーツに凝っています。
小さい子はまだ浮輪を使いますが、
私ぐらいになるとジャンプや水上スキーなども楽しみます。
これは、お気に入りのショット。
ポスターになりました。
平和な1年でありますように。
今年もよろしくお願いいたします。
© Swissmilk
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モミの木は、日本の森から。シナモン、胡桃、干し林檎は、スイスから。バンホフ・シュトラッセで以前から欲しいと思っていたきれいな手刺繍のテーブルクロスを見つけてうれしくて、そうだ、12月になったらに登場させようと、楽しみにしていた。
少し早めに開いた東京オフィスのクリスマス・ディナー。ジェネレーションも情報も知恵もシェークしようと、世代を超えて集った女性たちは、いずれもいい感じに肩の力が抜けている、お洒落でチャーミングなワーキングウーマンだ。
会議が長引いているらしく、前菜担当、赤ワイン担当からショートメールが届いた。
「それじゃあ、ゆっくり待ちましょうよ」と、アぺロのシャンパンを開けると、とたんにお喋りに弾みがついてゆくが、今日のメンバー全員が勢ぞろいして席に着いた瞬間、ふっ、と立ち昇った空気に、「すごいねっ」と顔を見合わせるほど、部屋がキラキラ華やかになった。
夜が深くなるにつれ、話は来年のこと、未来のこと、それから、一緒にできそうなことも思いついたりして。人生のかなりの時間を知っている友達も、もっとずっと若い友達も、グラスを重ね、みんな幸せそうに笑っている。
素敵なイヴを。
メリー・クリスマス。
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チューリッヒ中央駅前バンホフ・シュトラッセをしばらく歩いてコープCoopの角を右。通りを渡ると、ヨーロッパ最古のベジタリアン・レストラン、ヒルトゥルHiltl がある。開店は1898年と、優に100年を超える歴史を持つ。
サンデーブレッドという、ちょっと甘みのあるパンを日曜日の朝にいただく古くからの習慣がある。まだ貧しかった日々の生活のなかで、それは、子どもにも大人にも、ささやかな楽しみだった。
肉も白いパンも贅沢だった時代にオープンした、ベジのレストラン。敢えて野菜しか食べないことなど到底理解されなかったというが、ヒルトゥルは、今やチューリッヒのシンボルと言えるほど人気で、ブレイクを過ぎすっかり定着している。
インド、中国、マレーシア、地中海など、野菜レシピはグローバルで意表をつく楽しさがあり、おいしい。ビュッフェから好きなものを好きなだけ取り、自分で計りに乗せ、出てきたレシートを料理と一緒にテーブルに持って行く。
4代目、ロルフ・ヒルトゥル氏のマーケティングセンスが優れていて、スイスインターナショナルの機内食でもヒルトュルを選べるなど、新しいスイスの顔をブランディングしている。レストランコンセプトや仕掛けを語り出すと膨大になってしまうので、別の機会にするとして。
ヒルトゥルをフラッグシップに、よりカジュアルに展開している姉妹店「ティビッツ バイ ヒルトゥル Tibits by Hiltl」のポスター。支店のあるチューリッヒ、ベルン、バーゼル、ロンドンを野菜の街にしてライトアップした。
ちなみに、チューリッヒ店は歌劇場のすぐ裏。オペラが跳ねた後、ちょっとだけ何か食べたい、というときにも気軽にぶらっと入れる。
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“Natural energy for Zurich.”
“Natural energy for Basel.”
“Natural energy for Bern.”
“Natural energy for London.”
Advertising Agency: Wirz Werbung AG | Partner BBDO Worldwide, Switzerland
Creative Director: Andreas Portmann
Art Director: Barbara Hartmann
Copywriter: Marietta Mügge
Photographer: Derek Stierli und Felix Schaub
Additional credits: Account Manager: Marc Gooch Art Buying: Fabienne Huwyler Photo-Editing: Felix Schregenberger Food Styling: Carla Kiefer
制作シーンは、こちらから。
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「ハイダだからね。ハイダ!!」
グランマキッチンは、唐突にモダンへ飛んだ。
ハイダHeida というのは、スイスワイン。寒冷地に強いスイスの種で、信じがたいような高地の畑、ヨーロッパ最高峰1,150メートルに広がるアルプスの段々畑で摘まれる。
スイスワインは、今日本で人気が出つつある。有名なワイナリーがたくさんあるレマン湖畔のワイン、ヴォー州のシャスラ種が、9月に帝国ホテル、パレスホテル、スイス大使館と続いて東京でお披露目されたが、「アルペンワインの真珠」と讃えられるヴァリスのハイダもまた、スイスを代表するワインのひとつだ。
このハイダをかなりたっぷりお料理に使う。しかも、パスタに。
お塩を入れないお湯でスパゲッティを3分ほど茹で、それをボイルしているハイダ+水+塩へ移してアルデンテに茹であげる。
ガーリックとキノコをバターで炒めワインを加えてチーズを溶かし、スパゲッティを和える。
アクセントは、塩、ブラックペッパー、ナツメッグ。トッピングは、溶かしたチーズ。
森から届いたたくさんのキノコが出回っているが、ここで使っているのは、一番早く市場に顔を出すシャンテレール。日本語でアンズ茸。
葡萄と洋梨はデコレーションというよりも、チーズの絡んだスパゲッティと一緒にいただくための甘み。皮ごと食べます。
まずは、白のテーブルワインあたりでお試しください。
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過去の記事「ワイン評論家という仕事 チャンドラ・クルト」もご覧ください。
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オペラよりも一足早く、アートシーンは動き始めた。
アート、ビジネス、住宅の複合コンプレックス、旧ビール工場一帯、ローヴェンブロイLowenbrau Arealの大規模な再開発地域でアートのブロックをリードするミグロ美術館現代アートは、昨秋センセーショナルな企画展でリオープンした。
開発以前から連動していたクンストハレ現代美術館 Kunsthalle Zürich、ハウザー&ヴィルスHauser & Wirth、エヴァ・プレゼンフーバーEva Presenhuber 、ボブ・ヴァン・オルソー Bob van Orsouwも同じ場所に戻り、新たにルマ・ウェストボウ/プール Luma Westbau/POOL etc.、JPR リンジャー JRP Ringier, contemporary art publishing company 、フレイモンド・グスFreymond-Guth Fine Arts Galleryが加わった。まさに、ヨーロッパにおける現代アートの重要拠点としてパワフルに活動している。
インヴィテーションが届いた。
ロンドンを活動の拠点にする、キャリー・ヤング Carey Youngの企画展。ビデオ、写真、パフォーマンスやインスタレーションなど多様な手法をミックスするヴィジュアル・アーティストだ。
2003年あたりから、彼女はアートで「法律」を検証する表現にフォーカスしている。
洗濯物干しのロープに下げた、裁判官のガウンとカツラの巨大なフォトグラフィックワーク、We the People。
契約書をメッセージの道具に用いた、Uncertain contract。
「法の権威」は、その形態とメソッドを分裂させたり、ギャップや多義性、曖昧さにハイライトを当て、諧謔によって疑問やズレを意図的に生み出して見せる。
精神分析医とのセッションを折り込んだビデオ、The Body Techniquesシリーズでは、キャリー・ヤング自身がビジネススーツを着て荒涼としたビル群をステージに、企業組織の風土や法律が人々の生活のあらゆる領域をどのように作り替えていくのか、実験する。
作品に通底する穏やかなユーモアと肉体が持つ脆弱性は、彼女の主題のシリアスな外観に小気味良い刺激を加えている。
キャリー・ヤングの初期の作品の文脈から新作までを展覧。すでに、ロンドン、ミュンヘン、ニューヨークなど欧米で大きな成功をおさめているが、今回のミグロ美術館現代アートの企画展 Legal Fictionsが、スイスで初の大規模なショウとなる。
11月10日まで。
https://migrosmuseum.ch/
過去の記事「ミグロ美術館現代アート 反射するユートピア 」もご覧ください。