今年の春。チューリッヒのデザイン美術館でスイスのグラフィック100年の歴史を俯瞰した大変面白い展覧会があった。
アップするのが宿題になっていて、すみません。
それとは別にこのポスター。
いつ見ても、不思議で、久々に見たらやっぱり強烈なので、ご紹介したい。
日本でいえば牛乳協会。スイスミルクの1932年のポスターだ。
この年、ドイツではバウハウスがデッサウ Dessau からベルリンへ移り、すでにミース・ファン・デル・ローエ Mies van der Rohe が校長として指揮を執っていた。
スイスの現代美術は、今もベルリンとかなり交流があるが、グラフィックの歩みを振り返ると、デザインに大きく影響を受けていたことがわかる。時代を牽引した建築家らとともにバウハウスの思想がこの地で躍動していた。
多くの亡命者が暗躍跋扈していたチューリッヒの街に思いを馳せると、いつも私はドキドキしてくる。
JEDEM SEINE MILCH ひとりひとりに牛乳を。
近代へ向かう時代の空気が、ストレートに伝わってくる。