ヨガ・ウシ

初めまして。私たち、スイスの牛です。

今年の夏のキャンペーン広告では、私たち、スケートボードで街を走りました。

ハードワークだったけど、うまく滑ることができたし、上がりもなかなか。

でもね。それって、去年、こんなふうに何ヵ月もヨガってみた成果かな、と思います。

草とお昼寝だけじゃダメ。おいしいミルクのためには、私たちもフィットネスが欠かせないの。

よろしければ、ご一緒に。

Photo: © SMP

https://www.swissmilk.ch/de/

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湖畔のプライベート・ビーチ

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残念ながら、私個人が所有しているわけではなく。

チューリッヒ湖の沿岸には、そのエリアの住民のために開放される「プライベート・ビーチ」というものがある。門番を見たことはないが、パトロールは回って来るので、やはり、勝手に入ってはいけないらしい。

6月初旬、ビーチの鍵が開けられると、気温が高い日の午後ならば、だいたい何時に通っても、誰かが寝そべっている。

週末ともなれば、家族で日光浴。大人は本を読んだり、ぼ~っと湖を眺めていたり。ダイビング、ヨット、カヌー。
水鳥も、人間も、一緒に泳いでいる。

北ヨーロッパの夏は、美しく、短い。
夏を名残惜しむという余韻はなく、8月に入れば、やがて、すとんと秋になる。

そのせいか、太陽を思う存分浴びることのできるこの時期にはむしろスイスにいて、涼しくなってから、南欧や北アフリカ、トルコあたりで長い休暇を取る人も少なくない。

大人だけのカップルなら、ここでは、インディペンデントという形容で、そんな自由もきくようだ。

メールを出して、2週間オフィスを留守にしています、というオートリプライが返ってくると、あっ、またいない、今年何度目の休暇だろう、と、これも不思議に思うことのひとつ。

チューリッヒは、昨日からゾンマーフェーリエンSommerferien。8月半ばまで、学校は夏休みだ。

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43rd モントルー・ジャズ・フェスティバル

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Photo: Lionel Flusin – Montreux Jazz Festival Foundation

レマン湖畔の街で、1967年に始まったモントルー・ジャズ・フェスティバル。名前は今でもジャズ・フェスティバルだが、ロック、ソウル、ブルース、レゲエ、アフリカや南米のワールドミュージックまで。ジャズだけでなく、音楽界の大物が参加する、ノンジャンル、世界最大級のフェスティバルとして知られる。

毎年7月に開催され、今年は、7月3日から18日まで。

メイン会場は、Auditorium Stravinski、 Miles Davis Hallと2つある。

初日3日、キューバニスモ、オスカー・Dレオンなど、FIESTA LATINA!でスタートし、その後、ハービー・ハンコック、アリス・クーパー、バーバー・マール、B.B.キング、ジョージ・ベンソンなどが続く。

近藤等則が、12日、マイルス・デイヴィス・ホールに登場する。

なお、プリンスが、最終日18日の夜、2回公演することになった。ファーストステージは、19:00。セカンドステージは、00:00頃に予定されている。 www.prince.org

https://www.montreuxjazzfestival.com/en/

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パンを、デザインする

スイス人の友人夫妻を夕食に招いたとき、こんなプレゼントをいただいた。
レシピ付きの、パンの粉。

抽象画のような線を描いているのは、ひまわり、クミン、かぼちゃ、けしの実など、10種類の種とスパイス。麦やアワも、入っている。

これを考えた人は、どんな風にデッサンしたのだろう。
できれば、コンピュータの画面ではなく、紙の上にパステルか水彩で描かれたものであってほしいと思うが、どうだろうか。

このベーキングミックスに必要なのは、水とわずかなミルクだけ。きれいなのでしばらく飾っておいたが、イースト菌は生きている。

そろそろ焼かなければ。

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アート40バーゼル 控え目な期待、パワフルな成功 ルーツへ回帰したアート市場

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毎年6月に開催される世界最大のアートフェア、アートバーゼルは、今年40歳のビッグバースデーを迎えた。
世界中の800を超えるギャラリーのなかから厳正に選ばれた、29ヵ国、300を超える超一流のギャラリー。およそ2,500人のアーティストの作品が並び、61,000人が訪れた。

会場のほぼ正面に置かれた立体は、チューリッヒのギャラリー、プレゼンフベアPresenhuberから。ヴァレンティン・キャロンVALLENTIN CARRONの作品、初夏の真っ青な空に向かってそびえる巨大な黒い十字架だ。

スイスの新聞NZZ(Neue Zürcher Zeitung) は、「まるで、アートバーゼルの誕生日を墓場に運ぼうとしているかのようだ。しかし、不幸な出来事は起こらなかった」と、経済不況の影響をほとんど見せない大成功を報じた。

ジーンズでぶらっと現れたブラッド・ピットやチューリッヒ在住のサッカープレイヤー、グンター・ネツェー。ナオミ・キャンベルとカール・ラガーフェルドのツーショットは、プレビュー翌日に世界に流れた。ロシアの大富豪ロマン・アブラモヴィッチ。MOMAやポンピドー、ルーブルはもちろん、ほとんどのメジャーな美術館から訪れた館長たち。地球のあらゆる場所から、トップクラスのコレクターがプラベートジェットで集まった。

Galerie Bernd Klueser | Muenchen

Galerie Karsten Greve | Koeln

昨年と比べるとアメリカのギャラリーがわずかに少ないものの、それでも、Blum & Poe、Matthew Marks Gallery、Richard Gray Galleryなど、枚挙にいとまがない。

さすがに今なお大きな磁力を持ち、全体のクオリティが引き上げられていたのは、数も多かったが、ベルリンのギャラリー。例えば、nuegerriemschneider、Esther Schipper、Galerie Max Hetzler、Galerie Eigen + Art。ケルンのKewenig Galerie、ミュンヘンのGalerie Bernd Klüser。

ロンドンからの常連、White CubeやStephen Friedman Gallery。バスキアとミロがビビッドに並ぶパリのGalerie Hopkins-Custot、ハンス・ベルメール、ピカビアなど、やはり巨匠をそろえるGalerie 1900-2000。
メキシコ・シティのKurimazuttoのレベルの高さも、際立っていた。

日本からは、今年も小山登美夫ギャラリー、ギャラリー小柳、SCAI THE BATHHOUSE 、シュウゴアーツ、Taka Ishii Galleryが出展した。

kurimanzutto | MeÌ xico City

Bharti Kher, Hauser & Wirth Zuerich | Zuerich, London

Franz Erhard Walther, Galeria Vera Munro | Hamburg

Yoshitomo Nara, Marianne Boesky Gallery | New York; â ¨Blum & Poe | Los Angeles; Tomio Koyama | Tokyo

隣接するArt Unlimitedでは、作家、作品ごとに展示。絵画はもちろん、写真、ビデオワークなどのインスタレーションや巨大な立体。ありとあらゆる可能性を提示する。
奈良美智の作品、廃材で組み立てた小さな家Torre de Málagaに、出たり入ったり。絶えず人が集まっていた。

Bruno Bischofberger | Zuerich

ところで、チューリッヒがパリ、ロンドン、ニューヨークと並ぶ現代アートの拠点であることがあまり日本では知られていないが、アートフェア開催地バーゼルとともに20世紀アート史上、とりわけ1910年代半ばから重要な活動を展開してきた都市である。そのチューリッヒ

からは、Hauser & Wirth Zürich、Peter Kilchmann、May36などが、やはり意表をついた企画を見せた。

Bruno Bishofgerは、アンディー・ウォーホルAndy Warholの「Big Retrospective Paintin 1979」1点だけを展示するという作戦だった。207×1080cmの作品が壁一面にあり、座って観ることができるようにと椅子が数脚置かれた。プレビュー以前から、誰が求めるのかと地元でも大きな話題になっていたが、ちなみにお値段は、80ミリオン スイスフラン。約70億円。

終了後、ギャラリストたちから多くのコメントが発表されている。
チューリッヒのBob van Orsow は、新聞のインタビューで語った。「アートバーゼルは、世界中のあらゆるアートメッセのクイーンなのです。ギャラリーは、クイックなお客様を期待していませんし、また、どこかのギャラリーで何か購入したかどうかなど、誰も尋ねません。そういうことを好まないのです」。

しかし、この女王は、気高く美しく、とても頭がいい。鑑識眼にずば抜け、時代を読み、市場をリードするマーケティング力に長けた、真摯でダイナミックな戦略家である。

会場1階は、入口の右側1つ目のブースがバーゼルの美術館「バイエラー財団」で極めて格調高く始まることもあるが、フロア全体の空気にノーブルな緊張と知的な抑制が漂う。

ひとつひとつのギャラリーのブースは、明日そのまま企画展として、世界のどのような国際都市ででもドアを開けられるほど、実にパワフルなショウを見せる。成功しなければ、来年は登場できないかもしれない。それだけに、どのギャラリーを見てもコンセプトが強く、明快であり、テーマ性がある。それが観る側を次々と挑発してくるのだ。

アート40バーゼルは、控え目な期待に反して巨大な成功をおさめたと評価される。売上を憶測する数字はまだ飛び交っている。
アーティスト、トップコレクター、キュレーター、メディアなど、現代アートに関わる様々な人々が集まり、新たに出会う。そのような最先端の交流の場でもある。

時代の大きなうねりが起こっているようだった。
去年とも一昨年とも違う。特に、ギャラリストの表情に、異質な何かが見える。

プレスリリースを読み、そのヒントを発見したように思う。

「今回のアートバーゼルは、アートマーケットがそのルーツに回帰したことを目撃しました。知識、サステナビリティ、そして、芸術に対して真面目で真剣であること。これらが、最前線に戻りました。プログラムを進行したギャラリーは、この現象から大きな利益を得たことでしょう」。Mathias Rastonfer Galerie Gmurzynska, Zurich/St.Moriz/Zug

カタログ

アプリケーション

会場内Photos by Art 40 Basel
https://www.artbasel.com/

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