お元気ですか。スイスの牛です。
日本は、トラ年なんですね。
ここは、どうかなぁ。寒いし。
アイドルは、いろいろいますが、
年間通じてっていうことでは、やっぱり、牛が人気じゃないかしら。
冬の間は牧場に出ないので、あまり人に会う機会もありませんが、
ミルクは、毎日お届けしています。
週末は、友達と近所の雪山に出かけて、こんな感じでスノボしたり。
ポスターになった3点は、冬のキャンペーンのお仕事。
ジャンプも楽しかったけど、CMでは、スケルトンにトライしてみました。
今度の金曜日から2週間ほど、スイスはスキー休暇。
ちょっとまた滑ってきます。
TVスポットは、こちらから。
© Swissmilk
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チューリッヒの街には今、いたるところに巨大な植木鉢が出現している。
初夏から始まったキャンペーン、ガルテンシティ チューリッヒ 2009 Gartencity Zürich。アートとデザイン、植物と自然、都市と環境の融合をテーマにした、チューリッヒ観光局によるユニークな企画だ。
植木鉢は、ガラス繊維強化ポリエステル。高さ150cm、直径120cm。内外から参加したアーティスト達が制作した。
映画「エイリアン」でおなじみのスイス人アーティスト、HRギガー HR Gigerや、ドイツのハンス・ラングナー Hans Langner。ミラノのブレラ国立美術学院 Accademia di Breraからは、生徒と教授による作品も見られる。
チューリッヒ空港から街の中心へ。特に、中央駅から始まるショッピング街、バーンホフ・ストラッセから金融の中枢、パラデ・プラッツまでは、ハイライトのひとつ。ここから、湖へ、リマト川にほど近い石畳の旧市街やオペラ座へと、人々を誘導するように作品が配置され、その数は街全体で優に300を超える。
夾竹桃、椰子、はなみずき、極楽鳥、もみじ、いちじく、トチの木・・・
30種類以上の植物が植えられ、通り過ぎるたびに異なる日々の変化も、4ヵ月という長期キャンペーンを飽きさせることがない。
一年の中で、最も美しいこの季節。色とりどりの花を咲かせて、街はすっかり不思議なガーデンになった。
登場するアートは、年ごとに変化しているが、オリジンは、1998年の牛、カウパレードに遡る。グラスファイバーで作った400頭の牛にアーティストが思い思いに色をつけ、それを街中に飾った。この牛のボディペインティング、予想を大きく超えて大変な評判になり、牛の数はキャンペーン中に800頭にもなったそうだ。
しかも、シカゴ、ニューヨーク、ヨーロッパ各地と世界中に拡大し、東京丸の内でも、昨年までに3回、牛が現れた。
その後、地元チューリッヒでは、牛からベンチ、テディベアへと変遷をたどり、今年の巨大植木鉢へ。
面白いことに、このイベントが始まった98年あたりは、チューリッヒが現代アートの拠点として注目され、世界中からアーティストが移り住み、活動するようになった時期とちょうど重なる。
街のマーケティングを考えた時、「牛」というブランド力と、波に乗ってきた現代アートの力を使うということは、多分、自然でさえあっただろう。
そもそも、チューリッヒは、ダダ発祥の地。前衛の土壌がある。
子どもから老人まで。すべての人に向けられたアートと植物から届くメッセージは、やさしい。
アートが距離をぐっと縮め、人に、社会に語りかけるフックとなって、街をダイナミックに広告する、ガルテンシティ チューリッヒ2009。
自然の豊かさ、身近さ。サステナブルな街として、チューリッヒのイメージを強化しようとする、より積極的な観光誘致を核に据えつつ、同時にこの街の持つ斬新な魅力を、世界に向けて打ち出すブランド戦略の展開だ。
チューリッヒには、日本のようなコンビニは、ない。国際都市でありながら、時間は東京の数倍ゆっくり流れている、と感じるだろう。
しかし、ここでもやはりiphoneは大ブームだし、携帯とインターネットの発達で、情報はどんどん個別化されている。
一方、コミュニケーションがよりパーソナルになっていく反面、それでも、人は肌や声の温かさが好きだし、時には、踊りの輪に入ってみたいとも思うものだろう。そんなちょっとした興奮や感動は、安らぎや幸福感と隣り合わせになっている。
仕事人が、きびきびと歩いている。芝生で日光浴する若者がいる。お隣りのおばあちゃんが、猫の話をしている。旅行者とすれ違う。
ありとあらゆるジャンルの人々が、街という装置を媒介として、同じ空気を共有体験をしていると考えると、コミュニケーションの未来に希望が見えてくるような気がする。
何だか、楽しい。
9月20日まで開催