ここのところ、にわかに我が家で流行っているものがある。マイ・ブームというよりヒズ・ブーム。
世界の大陸を渡り、およそあらゆる国で食事をしてきた人が結局行き着いたのは、スロー・フードだと言う。それも、今時のスマートでスタイリッシュなものでなく、素朴なグランド・マザーの料理。
いかにもドイツ語圏スイスらしいのは、ドイツ的であったり、イタリアぽかったり、それらを混ぜてスイスらしかったりと、あまり脈絡がない。
スイス・アルペンチーズ・マカローニは、マカロニをチーズで和えた簡単なひと皿。スイスドイツ語で、アルプラーマグロネンÄlplermagronenという、ディープ・スイスだなあ、と感じる名前がある。
フォンデュの由来もそうだが、昔は牧夫がちょこちょこっと作った料理。オリジンは、スイス中央部のウーリUri州とお隣のオプヴァルデンObwalden州。
ちなみに、このウーリとシュビーツ、ウンターヴァルデンの3州は、13世紀にハプスブルク家と封建諸侯の支配に対抗して自由と自治を守る永久同盟を結び、スイス盟約者団を結成。これが、スイス連邦の原型となった。
さて、マカロニ。作り方は、いたってシンプル。まずサイコロ状に切ったじゃがいもを、マカロニと一緒に茹でてしまう。その間に、牛乳を温め、すりおろしたチーズを混ぜ、ハムを加える。マカロニとじゃがいもを入れて塩、コショウ。さらにチーズを加えて混ぜてできあがり。
ひと手間かけるなら、オーブンで少し焼いて焦げ目をつける。トッピングは、玉ねぎをバターでカリッとソテーしたものが良く合う。
ワインは、チューリッヒ湖畔のご近所ワイナリーから、辛口の白。リースリング・シルヴェナーRIESLING-SYLVANERを選んだ。
冷蔵庫に粉のパルメザンなどがあれば、それで作っても大体こんな風になる。
お試しください。
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